映画感想④(ホラー映画編)

「IT それが見えたら終わり」

ペニーワイズは、異形のモンスターなので現実味のある怖さではなかった。

ペニーワイズに立ち向かうことで少年少女が仲を深め、自立への一歩を踏み出す青春映画だと感じた。登場人物や小さな田舎町という舞台が「スタンド・バイ・ミー」と似ている。同じスティーブン・キング原作と知り、腑に落ちた。

撮影風景や制作の裏側などを収録した特典映像も面白かった。

 

アザーズ

オチを知っていたので怖くはなかった。幽霊よりも、子供の光アレルギーや幽霊騒ぎでヒステリックになっている母親を見るのがしんどかった。

母親は信仰心が強いあまり、幽霊の存在を信じられなかったようで少しかわいそうな気もした。最後のシーンはしんみりした。

大きくて古いお屋敷には住みたくないなと思った。

 

「シャイニング」

雪に閉ざされた山頂のだだっ広いホテルを家族で貸し切りという状況。狂気に染まった父親から逃げられない状況が怖かった。

原作は結末が違うらしい。確かに冒頭意味深に示唆されたシャイニング(超能力)が役に立つ場面があんまりなかったなと思った。タイトルにもなってるのに。

 

エスター」

外面のいいサイコパスの子供が、ある相手にはなついて懐柔し、ある相手は恐怖で支配して、敵(母親)を追い詰めて孤立させ、家族関係を破壊する様がめちゃ怖かった。

カウンセラーが頼りにならないシーン、悔しい。

エスターは身体の成長が止まっているため、大人の恋愛ができないというフラストレーションがあったり、他の女から男を寝取ることで優越感を感じたいのだという分析に納得した(レビューも参照)。

 

総じて、幽霊や怪物よりも、誰もが心の奥底にしまいこんでいる何らかの後ろめたさを突くことで、精神的に追い詰めていく種類の恐怖が怖いと思った(シャイニングの父親:子供に暴力をふるったことがある・エスターの母親:アル中・エスターの父親:浮気したことがある)。